がんの5年生存率はどのぐらいか?

はじめに
がんの生存率では基本的に5年生存率というデータが多く使われています。診断から5年程度が経つと再発の可能性が減るというのが過去のデータとして残っています。よって5年を超えて再発をしなかったのであれば長期生存が期待できる。そこから5年生存率というのが「がん」の中では最もポピュラーに使われています。ここでは主ながんの5年生存率というものを見ていきます。
対象は胃・大腸・肝臓・肺器官・女性乳房・食道・膵臓・前立腺・子宮頸・子宮内膜・膀胱・咽頭・胆嚢・腎臓・腎盂尿管の15まで拡大しました。
実際の5年生存率
ここからは胃・大腸・肝臓・肺器官・女性乳房・食道・膵臓・前立腺・子宮頸・子宮内膜・膀胱のそれぞれ5年生存率を見ていきます。全体・I期・Ⅱ期・Ⅲ期・Ⅳ期で比較していきます。
部位 | 全体実測生存率 | Ⅰ期実測生存率 | Ⅱ期実測生存率 | Ⅲ期実測生存率 | Ⅳ期実測生存率 | 全体相対生存率 | Ⅰ期相対生存率 | Ⅱ期相対生存率 | Ⅲ期相対生存率 | Ⅳ期相対生存率 |
胃 | 61.9% | 81.6% | 59.3% | 39.6% | 8.0% | 71.6% | 94.6% | 68.5% | 45.1% | 9.0% |
大腸 | 63.7% | 83.5% | 75.4% | 67.5% | 16.9% | 72.9% | 95.4% | 88.1% | 76.5% | 18.7% |
肝臓 | 34.9% | 52.5% | 37.4% | 12.6% | 3.1% | 40.0% | 60.4% | 42.8% | 14.5% | 3.5% |
肺・気管 | 35.6% | 71.0% | 40.4% | 19.7% | 4.5% | 40.6% | 81.2% | 46.3% | 22.3% | 5.1% |
女性乳房 | 88.2% | 95.3% | 91.6% | 75.8% | 35.6% | 92.5% | 99.8% | 95.9% | 79.9% | 37.2% |
食道 | 39.2% | 71.1% | 44.4% | 22.3% | 10.8% | 44.4% | 80.9% | 50.2% | 24.9% | 12.0% |
膵臓 | 8.6% | 37.9% | 17.2% | 5.2% | 1.5% | 9.6% | 43.3% | 19.3% | 5.7% | 1.7% |
前立腺 | 82.7% | 82.5% | 89.3% | 86.6% | 50.0% | 98.6% | 100%+ | 100%+ | 100%+ | 62.2% |
子宮頸 | 72.6% | 93.2% | 74.7% | 58.5% | 23.9% | 75.3% | 95.3% | 78.7% | 61.4% | 25.2% |
子宮内膜 | 79.0% | 93.3% | 86.0% | 71.6% | 20.4% | 82.1% | 96.8% | 89.9% | 74.0% | 21.3% |
膀胱 | 56.7% | 71.6% | 50.3% | 37.6% | 16.5% | 69.5% | 88.1% | 61.9% | 45.2% | 19.1% |
前立腺と乳房は予後もかなり良好
3年生存率同様に5年生存率も男性・女性特有のがんである前立腺と乳房は予後もだいぶ良好です。末期のⅣ期になっても50%以上あります。また前立腺がんに至ってはⅠ期・Ⅱ期・Ⅲ期までは同世代の同性の生存率よりも高いというデータもあります。諦めずに治療することで5・10年と生きられる可能性の高い部類の「がん」ともいえます。また大腸や子宮内膜も予後はだいぶいいです。Ⅲ期になっても70%前後あるのでかなり望みを持てます。Ⅲ期までであれば長期生存もかなり期待できます。
反面「がん」の王様といえる膵臓・さらに肝臓・胆嚢の肝胆膵といわれる「がん」は生存率が低くなっています。特に膵臓はⅡ期で20%未満、Ⅲ期になってしまうと実測・相対とも生存率が5%前後にまで下がります。全体でも10%にも満たないので5年生存の望みがかなり低くなります。正直1年生きることすら難しいかもしれないというがんともいえます。
また肺器官・食道・膀胱の各種「がん」も予後はあまりよくありません。Ⅳ期になるとかなり厳しい数値になります。Ⅱ期でも長期生存が微妙な数値といえます。生きることも少し厳しいかもしれないというデータも出ています。
こうしてみるとやはり「がん」は早期発見が大事になりそうです。
出典:国立がん研究センター
この記事へのコメントはありません。